鹿児島デザイン協会

これまでのオトナノカタリバ > ケース3:三坂基文 2013年9月26日 ほか

「オトナノカタリバ」は、参加型のゲストトークショー。
多種多様なのゲストの話を聞くことで得られる知識。今後の仕事、つながり、連携していく為の大いなるヒントは、自分自身でアンテナをはることで見つけ易くなります。
なかなか訊けないあんなことやこんなこと。この機会に思い切って訊いてしまいましょう。

2015.3.17 オトナノカタリバ ケース11

デザイン百覧会2015「デザイン百覧会大賞」受賞された”ウニアート”の有限会社尾塚水産様ほかのお話を伺いました。

facebookページにて多数の写真アップしています。どうぞご覧ください。

オトナノカタリバ ケース3:三坂基文 2013年9月26日

第3回目のゲストは、かごしまのアート界を盛り上げて来た人物。
ホワイトギャラリー・オーナーで、今年還暦を迎えたばかり。
かごしまデザイン協会の理事長、「センスが溢れ出て止まらない男」三坂基文さんでした。

オトナノカタリバ case2

「自分が観ていて、飽きたり、耐えられないものはやりたくない。僕自信が感動したい。そのためなら自分で自分の首をしめる(笑)」アツさとユーモアを兼ね備えた絶妙なトーク。
そして、その滑舌の悪さを武器に?!(笑)会場は盛り上がりました!

今回、会場となったのはホワイトギャラリー。三坂さんのホームです。
トークショー前にはウェルカムドリンクとして4種類の日本酒が用意され、三坂コレクションの片口&グイ飲みを使用しての振る舞い酒に参加の皆様も、ほころび顔。
穏やかないい雰囲気でトークショーは始まりました。

三坂さんのトーク相手は、デザイン協会副理事長で、古くから三坂さんをよく知る、盟友・西眞理子さん。
西さんご自身の、三坂さんとの想い出の引き出しを開け閉めしつつ、時に真剣に、時にオモシロ可笑しく、でもキチっと進行していく手綱さばきは、さすが!
まさにオトナのオトナによるオトナのためのトークショー。

武蔵野美術大学の工芸工業デザイン科出身の三坂さん。
武蔵美の工業工芸デザイン科が掲げるコンセプトに「プロダクトデザインとは、人と関わるモノづくり」や、「プロダクトデザイナーの資質のひとつに、技術ではない『製品の善し悪し』が判断出来る事」が、あります。

「違いがわかる男」を自認する三坂さん。
武蔵美の研究室での4年間で、モノの見方を鍛えられたそうです。
学生達の作品を次から次に観て行く事で養われた「品質を見分ける、眼」。
「助手は給料もよく、いい経験させてもらった〜」と、かるーい感じで言葉を発する三坂さんではありますが(笑)
今のギャラリーでの仕事に繋がる、原点ともいえます。

「社会にでないことへの不安もあった」
大学を出て、研究室を経て、このままでいいのか?
立場や環境は違えど、誰しもが一度は通る疑問。
三坂さんはバブル期の東京で社会人としての2年間を過ごします。
新しい衣食住のプロジェクトに携わり、人集め、空間、いろいろ任されて5店舗作ったそうです。
バブル時代の変化の激しい時期、何をやったらいいか?何から始めていいか、わからない時代。
スピードも早く、出来たら潰して、潰しては作って。
インテリアデザイナーでもなければ、建築家でもなかったけれど、その時の経験が、今、空間デザインの仕事をする時に役立っている、と。

「10年間のフランス料理店経営、そしてホワイトギャラリー」
グルメ通りにあった「白妙亭」。
三坂さんが30歳から40歳まで経営していたフレンチレストラン。
「当時、いろんなお店がある中で、ひときわお洒落で、食器なんかも販売していてほーんとにハイセンスだったのよ」と、西さん。

マスメディアというマスメディアに登場して、宣伝告知はバッチリ。
だから、お客様は来る。でも受け入れ態勢が出来ていなかった。
ヒトが「定着しない」「育たない」ストレス。
いろんなストレスを考えたら、もう10年やったし、もうやめていいか。。
金銭的な赤字はともかく、心の赤字を埋めたい。

そして、ホワイトギャラリー経営へ。。。
「画期的なことをどんどんされてきて、鹿児島の文化面を変えて来た、と言っても過言ではない」と、西さん。

貸し画廊はやらない。自分の居場所を作る。自分が企画したことをやる。
「オモシロイと思ったら、展示のために、バルコニーのデッキを壊して、池だって作ってしまう」
これは越後妻有トリエンナーレの出展作家・戸高さんの個展時の話。
とても幻想的で素晴らしい作品だったそうです。

「企画は売れる売れないではない。僕の価値観だから。僕と作家との関係だから、売れなかったときはごめんなさい。でも売れなかったときは僕が企画したんだから、作家の作品は必ず買います。売れない上に、作品買うから、どんどんどんどん首をしめる(笑)奥さんがこわい(笑)」

でもそれに対しての評価は高い。南日本新聞の某記者さん曰く、
「鹿児島という土地で、売れるか売れないかわからない展示をみせてくれることは本当にありがたい。文化の「新しい目」を開かせてくれた」

鹿児島という街に根付いてるホワイトギャラリー。その存在感は「三坂マジック」とも呼ばれている。
作品の見方は人それぞれ千差万別。
とはいえ、三坂さんに勧められると作品がどんどん良く見えてくる。

サービス精神旺盛な三坂さん。
美術館等に一緒に行くと、その作品の良さ(だけでなく酷さも?笑)、ずーっとしゃべり続け、説明し続けてくれる。
遊んでるようで、実はかなりの勉強家。その姿は、ちょくちょく図書館でみかけられるそうです。
その向上心は海外にも向けられ、ロンドンへの留学経験も。言葉がわからない、観たいものは自分から動かないと観られない。
「向こう側にはなにがあるのか?」
三坂さんのライフワーク作品「向こう側シリーズ」も、そういう経験や状況から生まれたものだそうです。

「次世代を育てる」
常日頃、三坂さんの口からもよく出る言葉です。
たまたま辞められた大学の先生に代わって講師になった時に、教え子の中に息子さんの同級生が。
「そうかあ、もうそういう時代だよな」と、次世代を意識し始めたそうです。

「フルタイムでやってるひとを応援している。食えるか食えないかも大事だけど「覚悟」。その人をサポートしてくれる、食わせてくれる人がいるとか、そんなことは、知ったこっちゃない。それ一本で食って行くぞ、って覚悟のある人を応援したい」

トークショーの途中、お客様としていらしていたプロの写真家コセリエさんや、パンダ絵師あごぱんさん。
そして、現在ロンドンでイラストレーターの勉強中の柴ひかりさんなどを、積極的にいじって、話を訊く場面も。

ここで蛇足を少々。
以前、三坂さんにこう訊かれたことがあります。
「ソレ(仕事)でさ、豪邸建たないの?」
単純にその時は「厳しいと思います。。」なんて答えましたが、でもそれ以後その質問は頭に焼き付いてしまいました。
肯定的に「どうやれば建つか?」ということを考えるように。
若いアーティストや、がんばってる人たちが、何をどうやったらオモシロく居られるか?楽しめるか?
そして食べて行けるか?を、一緒に考えてくれる三坂さんの心遣いはいつも勉強になります。

当日は、三坂ライフには欠かせない、バリの写真スライドショーも。会場に居た誰もが、いつか行きたいと思ったであろう美しい風景の数々。そんなこんなであっという間の、1時間半でした。
その後の懇親会は、鶴家の美味しい季節のスペシャル弁当。
秋の夜長のオトナノカタリバは、楽しく心地よく過ぎていきました。。。

還暦を迎えても尚、精力的に動き学び遊び、そして教えてくれる。
口では「おれ、もう死ぬ」ってしょっちゅう言ってる三坂さんですが、このオヤジ、いつになったら動かなくなるんだ?ってくらい(笑)
健康に気をつけて、まだまだ背中、見せといてくださいね。

今回は定員30名で、満員御礼の31名の参加者でした!参加の皆様ありがとうございました!
場所提供してくださったホワイトギャラリーの皆様も感謝です。

次回、オトナノカタリバは、11月7日(木曜日)トークゲストは(有)西田商会の西田建一さん。
11月9日公開・映画「六月燈の三姉妹」プロデューサーの西田さん。映画の裏話も含めて、聴き逃せません!

written by Sakura Togo


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